コラム【増え続ける美容室の不思議】
「美容室ってホントにたくさんあるわよね」
そう思ったアナタは大正解。
全国の美容室の数は26万件。歯科医院は6万8000件。コンビニが5万7000件、ラーメン屋さんは2万4000件、信号機の数でやっと20万基ですのでいかに美容室が多いかがわかります。
そして新型コロナの影響もなく現在も増え続けています。
なぜこんなにも美容室が多いのか?
それは、美容師は他の職業に比べて独立願望
が強い人が多いからだと私は思います 。
ご存知の通り、美容師の新人時代の修行は
過酷です。休日や休憩も少なく、給料も
決して高いとは言えません。
そんなツラい時期を乗り越え、辞めずに一人前になった美容師は「美容が好きだから続けている」人ばかり。更に独立開業までこぎつける美容師はもはや「職人」の域に達しています。
そして職人さんといえば、人からの指示が大の苦手(笑)。雇われていると「ああしなさいこうしなさい」と社長や店長からの指示と、自分のやりたいことのズレが出てくるんですねぇ。。。
そして一定の実力がついてきた美容師は「自分の好きなように自由に仕事がしたい」とお店を旅立って独立していくのです。
(なんだか自分の体験談のようですが(笑)ホントにこのパターンが多いんですよ)
そうして美容師の数(全国で53万人!)の想いの数だけ美容室も増えていく、という訳です。
数が増えすぎれば減っていくのが自然の法則ですが、美容室は違います。
美容室の売り物は「モノ」ではなく「技術やサービス」ですので、例えばスーパーに売っている野菜や日用品などと違い価格以外で特色を出しやすいんです。店が変われば似合う髪型の提案も、使っている薬剤もガラッと変わりますのでまた違った仕上がりになるわけです。
ですから、たとえビルの1階と2階に違う美容室が入っていたとしても潰し合いにはなったりせず、共存していけるのです。
これが八百屋さん同士なら「あっちが200円ならうちは190円。はたまた150円でどうだ!」と価格競争の波に飲み込まれ、結局資本力のある大型店が生き残る、という流れになってしまうんですね。
「価格競争の波に飲み込まれにくい」これが美容室が無くならずに生き残っている要因かな、と思います。
更にお金の話を少しだけ。自宅で開業している昔ながらのパーマ屋さんや床屋さん。特別混み合っている様子もないのになぜ何十年も営業を続けていけるか?
それは人件費や家賃がかからず、飲食店のように在庫の食品ロスもなく、カットの場合には材料費も0円ですので、お客さんがたとえ1日1人だったとしても出て行くお金が少ないので全く問題ありません。
そして来店するお客さんはほぼリピーターですので、集客の為に広告などを出さなくてもOK。
美容室に限らず、こじんまりと営業している個人商店は、実は収入と支出のバランスがとても良い経営のお手本のようなスタイルなんですよ。
このように美容室が増え続ける理由を私なりに分析してみました。
これからも美容室は増え続け、ますます機械化が進み、いつかロボットが人の頭をカットする美容室も出てくるかもしれませんね。
そうなった時、機械には真似できない技術を持つ本物の職人さんだけが生き残るんじゃないかなあ、なんて思ったりもしています。
ヘアカットロボットが開発される日も近い⁉️
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